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第13話 ますますおかしい!裁判員制度!

ますます矛盾が露呈している「裁判員制度」
死刑言渡しの際に,裁判長が控訴を勧めるなんて…!
ビックリしました。

初の死刑判決

 導入から1年半余りが経過した「裁判員制度」。このコラムでも,その問題点,やバカバカしさについて,再三,指摘してきましたが,ますます,問題点,矛盾点が露呈しています。
 昨年の11月には,裁判員制度で初の死刑判決が出ましたね。男性2人を殺害して遺体を切断,遺棄したとして強盗殺人罪など九つの罪に問われた住所不定、無職の被告人(32才)に対して,横浜地裁は,求刑通り、死刑判決を言い渡しました。
 ところが,朝山芳史裁判長は,死刑判決を言い渡す一方で、「重大な結論なので、裁判所としては控訴を申し立てることを勧めたい。」と,何と,被告人に控訴を促す異例の説諭をしました!
 この報道を見て,私はビックリしました。裁判長が控訴を促すなんて,常識では考えられません。要するに,裁判官自身が,「自分が出した判決には自信がありません…。どうぞ,控訴審でもう一度争ってみて下さい。」と言っているようなものなのです。「裁判所の判断」って,そんなに軽いものなのでしょうか?!
 そもそも,裁判所に言われなくたって,当然,被告人には控訴する権利があるのですから,朝山裁判長の発言には,本来,何の意味もありません。
 裁判員裁判の構成は,プロである裁判官3人,裁判員6人。朝山裁判長が死刑言渡しと同時に控訴を勧めた背景には,評議で死刑判決に反対した裁判員がいたことをうかがわせます。素人である裁判員の心の負担,つまり,「死刑判決に関わってしまった…」という精神的プレッシャーを少しでも和らげようという配慮があったという見方もあります。
 
控訴審ではプロの裁判官だけ

 しかし,控訴審では,裁判員制度の適用はなく,プロの裁判官だけで審理されます。朝山裁判長の発言は,「素人が関わった裁判員制度の判決に不服なら,プロの裁判官だけの判決を求めてみたら?」と言っているようなものなのです。
 しかし,それは,おかしい!
 一体,何のために裁判員制度を導入したのか?「市民感覚」「素人感覚」を裁判に吹き込むことが目的だ!と言っていたはずです。結局,そんな目的などどうでもいい,ということを裁判所自体が認めているようなものではないでしょうか。
 また,裁判員制度では評議の内容は公になりません。死刑判決という重大な結論であるにもかかわらず,評議の内容は,完全なブラックボックスなのです。全員一致だったのか、多数決だったのか、反対意見はあったのか,あったとすればどんな内容だったのか,全くわかりません。
 評議内容の情報がなければ,後の検証もしようがありません。果たして,これで,裁判への信頼が保てるのでしょうか?
 やはり,裁判員制度は根本的に間違っています。今年もこのコラムで皆さんに問題点を伝えていきたいと思います。

掲載日:2011年1月1日

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