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第9話 小沢一郎問題~検察審査会
小沢一郎問題,検察審査会で「起訴相当」に。
しかし,起訴,有罪に持ち込めるかは微妙。
政治資金規正法を改正すべきでは?
「起訴猶予」と「嫌疑不十分」の違い
民主党の小沢一郎氏の資金管理団体「陸山会」の土地取引を巡る政治資金規正法違反容疑で,東京地検特捜部が不起訴にした処分について、4月27日,検察審査会が「起訴相当」という議決を出しましたね。
検察審査会とは、くじで選ばれた11人の一般人が検察の不起訴処分が妥当だったか否かを審査するところです。「起訴相当」の議決が出ると、検察は再び捜査して,3カ月以内に起訴するかどうかを判断しなくてなりません。
この号が出版される頃には,もう結論が出ているかも知れませんが,果たして,検察は起訴するでしょうか?国民目線でみれば,元秘書の石川議員が「小沢氏の了承を得た」と供述しているわけですから,「小沢はクロだ!不起訴はおかしい!」と思うのも当然ですが,何故か,検察は,「石川議員の供述は具体性が乏しく,共謀までは認められない」と判断しているようです。
不起訴の中には,「起訴猶予」と「嫌疑不十分」があります。「起訴猶予」とは,犯罪の成立は明白であるが被疑者の年齢,境遇,反省の態度,弁償の有無などの事情を考慮して,今回だけは大目に見て起訴しない,というものです。
これに対して,小沢氏の場合は「嫌疑不十分」であり,捜査を尽くした結果,有罪とできる証拠が不十分である,ということです。証拠が不十分であれば,たとえ起訴しても,無罪判決が出る可能性が大です。今回の小沢氏の場合,東京地検特捜部という日本最強の捜査機関が捜査を尽くしても有罪とできる証拠が不十分であった,というわけですから,再び,同じ捜査をして新たな証拠が出てくるのでしょうか?
政治資金規正法はザル法
しかし,ひるがえって考えてみると,本当にバカバカしい話です。小沢氏が言っているのは,「秘書が勝手に虚偽の記載をした。俺は知らなかった」ということですが,「ボスの了解なしに,秘書が勝手に記載するはずがない」というのが世間の常識ではないでしょうか?それを,政治家は「知らない、聞いてない。秘書が勝手にやったこと。単なる記載ミス」で逃げ切れるのであれば,政治資金規正法なんて,何の意味もありません。要するに,ザル法ですね。
ただ,今の刑事裁判では,小沢氏が「知っていた」ということを検察が立証しない限り有罪に持ち込めないので,小沢氏が「知らなかった」とシラを切り通せば,手も足も出ません。
だったら,政治資金規正法を改正すべきです。政治家には,民間人よりも,圧倒的に高い清廉性と透明性が求められるはずです。
また,本来は,小沢氏自身が収支報告書をきちんと見なければならないのに,それを秘書任せにしていたのは小沢氏自身の責任です。政治資金規正法を改正して,政治家の管理責任を問い,処罰する規定を設けるべきです。
しかも腹立たしいことに,民主党議員たちは,「虚偽記載は形式犯だから大したことはない」などとのたまっています。政治資金には政党助成金も含まれていますから、国民の税金なのです。そこには,政治家として,国民の税金を大切に使わせていただいている,という謙虚さのカケラもありません。本当は,国民ももっと怒っていいのですが・・・。それでは,次号で!
タックル法律講話とは…
当事務所代表の堀内恭彦がビジネス情報誌「フォーNET」に連載中の人気コラムです。
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