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第6話 国籍法の改正~今そこにある危機?
「国籍法」が改正されたのをご存知ですか?
簡単に「日本人」になれる?!問題点が山積みです。
DNA鑑定なしでもOK?
マスコミがあまり取り上げないので、ご存知ない方も多いと思いますが、昨年末に、国会で、ひっそりと「国籍法」が改正されました。
今までは、日本国籍を取得するには父母の婚姻が必要だったのですが、改正によって、この要件を満たさなくても日本国籍が取れるようになりました。つまり、日本人男性に認知してもらうだけで、婚姻関係にない外国人女性との間にできた子供も日本国籍が取得できるようになったのです。
この改正のきっかけになったのは、2008年6月最高裁大法廷で「国籍法」の条文を憲法違反とした判決です。その結果、日本人男性とフィリピン人女性の間に生まれ、出生後に日本人男性から認知されたフィリピン人の男の子に日本国籍が付与されました。この判決を受けて、一気に改正されてしまったのです。
この改正の問題点は、DNA鑑定などの科学的根拠は不要、とされているところです。そうすると、極端な話、日本人男性が「この子供は俺の子だ!」と言ってしまえば、本当の子供かどうかを確認することもなく、簡単に日本国籍が取得できてしまいます。男性が認知しさえすればいいのですから、「偽装」もできます。法務省は、「DNA鑑定をしなくても、夫婦や子供が一緒に写った写真など、色んなもので総合的に判断するから、大丈夫。」などと呑気なことを言っていますが、とんでもないことです。むしろ、髪の毛一本で容易にできるDNA鑑定を、何故やらないのか?
このように、簡単に日本国籍を取得できることから、今後、「偽装」や「国籍取得ビジネス」という問題が出てくる可能性があります。そもそも、国籍というものを、そんなに簡単に与えていいのでしょうか?国籍は、就職など社会生活上の重要な意味を持つだけでなく、選挙権など国民の基本的な権利に関わるものです。本当に血のつながりがあればいいのですが、「DNA鑑定等の科学的根拠は不要」という今の仕組みは、再検討されるべきです。
罰則も軽すぎる?
国会でも、「子供に日本国籍を取得させ、自分も合法的滞在の権利を得たい外国人女性を対象にして、不正認知・国籍取得の斡旋(あっせん)ビジネスやブローカーが横行するのではないか?」と問題視する議員も多く、また、超党派の議員連盟も作られて、「改正案は偽装認知による国籍売買を招くおそれがある」と慎重審議を求めていました。しかし、それらの声はかき消され、成立してしまいました。
また、改正法では、不正な認知・国籍取得に対しては、「1年以下の懲役または20万円以下の罰金」という罰則が新設されましたが、あまりにも刑が軽く、犯罪組織やブローカーなどを食い止めるには不十分だと思います。「国籍の不正取得」って、もっと罪が重いと思うのですが・・・。
たしかに、日本国籍が取れないために不合理な差別的扱いを受けている人は出来る限り救済していかなくてはなりませんが、「国籍」の重要性を考えれば、「本当の子供であるか否か」について、極めて慎重な方法が導入されるべきでしょう。
問題は、そのような議論がしっかりなされず、なし崩し的に法案が成立してしまったことです。マスコミにももっとしっかり取り上げてもらいたいものですが、そういう骨のあるマスコミもなくなりましたね・・・。このHPをご覧の賢明な皆様には、是非ご理解いただきたいと思います。それでは、また次回!
タックル法律講話とは…
当事務所代表の堀内恭彦がビジネス情報誌「フォーNET」に連載中の人気コラムです。
身近な法律問題を,独自の視点で分かりやすく解説しています。






