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第5話 詐欺~だましたもの勝ち!?
「L&G」「円天」の大規模詐欺事件!
詐欺罪の刑は、意外と軽い!
「おいしいビジネス」?
騙し取った金はどこに消えた?
健康寝具販売会社「L&G」の波和二社長が、全国3万7000人から総額1260億円を集め、組織犯罪処罰法違反(組織的詐欺罪)の疑いで逮捕されましたね。波容疑者は、擬似通貨「円天」を利用して、マルチまがいの商法で金を集めていました。円天は会員が10万円以上入金すると、元本保証に加えて入金額と同額の「円天」が毎年一回もらえるシステム。この擬似通貨を使って、加盟店を通じて、日用品や食料品と交換できるというものです。
直接の容疑は、出資金の元本返済や配当をする意思や能力がないのに、ある説明会で「L&Gには数10億円の売り上げがある。3ヵ月ごとに9%(年利36%)の利息を支払う!」などの嘘をついて、会員6人から計1億1800万円を騙し取った、というものです。
L&Gが7年間で集めた総額1260億円は、豊田商事や全国八葉物流に次ぐ規模で、このうち約423億円が会員に返還されていないそうです。一体、そのお金はどこに消えたのか?個人的にはそこにも興味がありますね。と言うのも、騙した金をうまく隠し続ければ、刑期を終えて出所して使えますからね。
詐欺は「やり得」か?
今回の容疑は、通常の詐欺罪より重い「組織的詐欺罪」で1年以上の有期懲役です(上限20年)。今回の「L&G」は別としても、現実には、詐欺が「組織的」であることを立証するのは難しい。そうすると、通常の詐欺罪にしかならず、その場合は懲役10年以下、という軽い刑になります。
通常の詐欺罪で、約2億円騙し取ってもたったの懲役4年だった、という裁判例もあります。騙し取った金を土に埋めるか何かして隠し、懲役4年で服役して出所してくれば、丸儲けです。4年間刑務所で我慢すれば、2億円。年収にすれば5000万円ですから、ビジネスとしては破格の収益です。バックに暴力団等の反社会的勢力が控えていて、組織的な詐欺集団を形成させ、ダミーを身代わりに逮捕させて、刑務所から出所してきたらそれなりの報酬を与える、という実例もあります。
これだけ刑が軽ければ、詐欺は“やり得”です。実際、波容疑者は、マルチ商法による詐欺の前科があり、出所しても懲りずにまた詐欺を働いている。
私も今まで何人もの「詐欺師」を見てきましたが、反省する、更正する、二度とやらない、という人は皆無に近い。手を変え、品を変え、新たな詐欺に手を染めます。詐欺師が一生詐欺をやり続けるのは、被害額の割には刑が軽いからで、過去に詐欺で捕まった者も、今も誰かを騙そうと手ぐすね引いて待っています。
そうであれば、詐欺罪はもっと重く処罰すべきです。一般的な感覚からすれば、2億円も騙し取ったのであれば、少なくとも20年くらいは刑務所に行くべきではないでしょうか?それでも、年収にして1000万円!ですが・・・。詐欺が「おいしいビジネス」にならないように、詐欺罪の量刑を見直すべき時期にきていると思います。皆さん、おいしい話にはくれぐれもご用心を。それではまた次回!
タックル法律講話とは…
当事務所代表の堀内恭彦がビジネス情報誌「フォーNET」に連載中の人気コラムです。
身近な法律問題を,独自の視点で分かりやすく解説しています。






