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第4話 冤罪~無実の叫び!

足利事件で、無罪確定へ!
やっていないのに「やりました」と自白してしまったら、それを打ち消すのは至難の技なのです・・・

DNA鑑定は間違いでした?!

 先日,1990年に栃木県足利市で起きた女児(当時四歳)の誘拐・殺害事件で、無期懲役が確定していた菅谷利和さん(62歳)が、逮捕から実に17年6ヵ月ぶりに釈放されましたね。菅谷さんは無実を訴えて裁判のやり直し(再審)を求めていたのですが、最新のDNA鑑定で、「女児の肌着に付着した体液のDNA型と菅谷さんのDNA型が一致しない」という決定的な鑑定結果が出たためです。要するに、当時の捜査の決め手となったDNA鑑定が全くの間違いであった、ということです。
 当時のDNA鑑定の精度は低く、「1万人を鑑定すれば12人も同一型が現れる」という程度の水準で、法医学会からは「正確な判定はできない」との批判を受けていたのですが、警察・検察はこれを根拠として強引に菅谷さんを犯人としたストーリーを作り上げ、裁判所もしっかり検証しないままに判決してしまったのです。
 しかし、17年半もの間身柄を拘束された菅谷さんにしてみれば、たまったものではありません。記者会見で「間違ったではすまない。人生を返してほしい!」「警察、検察、裁判所は絶対に許せない!」と強く憤っていたのももっともだと思います。

捜査段階での「自白」が命取りに・・・

 また、本件で、菅谷さんが有罪とされてしまったもう一つの要因は、警察の取調べで、菅谷さんが「やった」と犯行を認めるウソの自白をしてしまったことです。
 菅谷さんによれば、事件から1年半後、捜査官が自宅にいきなり踏み込んできて、「任意同行」と言われて、なかば強制的に連行された、ということです。そして、足利署の取調室で、警官から髪の毛を引っ張られたり、足をけられたりして、「白状しろ、早くしゃべって楽になれ!」と言われ、執拗に自白を強要されました。菅谷さんは「やってない!」と否認し続けましたが、警官は何を言っても聞いてくれず、執拗に責め続けられるため、とうとう、取調べ開始から13時間後に、ポッキリと心が折れてしまい、警察の筋書き通りのウソの自白をしてしまった、ということです。
 なぜ、やってもないのに「やった」と自白してしまうのか?やってないならやってないと言い続ければいいのに・・・、と普通の人は思うかも知れません。
 しかし、それは、取調室という密室の圧迫感、人間の弱さ、心理をよくわかっていないと言わざるを得ません。実際に、警察の取調べに屈して、やってもないのに「やった」と自白させられたケースは数多く報告されています。
 また、今まで逮捕されたことなどなく真面目に生きてきた人ほど、「自分はやってないのだから、仮に警察で『やった』と自白しても、あとで裁判官に言えば、本当のことをわかってくれるはずだ」、「日本は法治国家なのだから、やっていない自分が有罪になる訳がない」などと、お上(裁判所)に期待して、警察の取調べから逃れたい一心で、ウソの自白をしてしまいがちなのです。
 ところが、このような期待は、ほとんど裏切られます。なぜなら、日本の裁判は、「調書第一主義」であり、警察段階で「やった」と自白した調書を、後になって「本当はやってません!警察に脅されてウソの自白をしたんです。裁判官様、わかって下さい!」といくら叫んでも、裁判官はなかなか認めてくれないのです。
 取調べも裁判も、しょせん、やっているのは人間ですから、当然、間違いもあります。だからこそ、自分の身は自分で守る、お上には甘い期待を抱かない、という覚悟が必要なのかもしれません。
それでは、また次号で!

掲載日:2009年9月18日

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